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紙から電子データへ移行するにあたって変化する法令 NO.5

紙から電子データへ

移行するにあたって変化する法令

企業が社会的信用を得るには
法令を正しく理解すること

 法令は企業活動の最低限のルールを定めると同時に、国家として向かう全体感を示していると考えられます。現在の法令の多くは、企業のIT化が始まる以前に制定されたものでした。
そのため、時代の変化とともに一部で顕在化した社会事象の解釈から、新しい時代・社会共通の価値観まで、その示唆として改正・制定が行われるようになっています。

  一方、企業はITに直接関係する法令が戦略や戦術に影響を及ぼすようになっているため、未然に防止する手段として、さまざまなコンプライアンス(法令遵守)の対応を考慮しなければなりません。特に電子化された文書や帳票などの情報を法令遵守にのっとって適切に管理することが求められているのです。


現在の礎となった
電子帳簿保存法とe-文書法

 
 この法令の礎となっているのが、前回取り上げた1996年のオフィスワークが定着しだした1998年に制定された電子帳簿保存法。これは法人税納税の際に監査対象となる帳票類(証跡)が、その原紙記録から電子化されている場合、所轄税務署の認可後は電磁的記録をもって原本として保存することが可能になった法律です。
 簡単に言うと、一連の受発注・請求の仕組みがパソコンで行われている場合、紙の伝票や帳票は作成・保存されていなくて良い、ということです。しかし、社外からの伝票や帳簿書類などは対象外だったため、ペーパーレスとしての実務レベルではまだまだ課題もありました。
とはいえ、この法律は大正12年から続いていた複写式簿記ルールの大きな変化でもあったのです。

 そして昨年4月に施行されたe-文書法が、電子帳簿保存法で課題だった問題点を解決することになります。形骸化してしまう内容ではありましたが、通則法として日本の総ての法律で紙での保存を義務づけていた文書について、電子データによる保存を容認したのです。また、紙伝票ですら所定の条件が満たされていればスキャンした電子化画像を原本・証跡として保存することも可能になりました。
 この法律により、紙書類の保管場所が一気に削減可能となり手間と大幅なコスト削減が実現できることから、業務フロー自体が劇的に変化して期待される事象でした。

電子帳簿保存法_表1111.jpg

e-文書_表1111.jpg

※参考URL
電子帳簿保存法:http://www.nta.go.jp/category/tutatu/kobetu/sonota/sonota.htm(参照/国税庁)
e-文書法:http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/others/e-bunsyou.html(参照/首相官邸HP)


IT分野は、世界を標準に見据えた
法整備が必要不可欠

 このように法律が整備される背景には、世界規模でITを利用したビジネスが急速に拡大し、国内でもパソコンを使った業務処理が普及したことに対する、税務処理の正確さや公平性を確保するための措置です。しかし、もう一つの側面として、これからの企業活動の飛躍的成長の支えるITの力を充分に活かせるよう、新たな解釈・社会的ルール(世界的な競争力強化にはITによる情報処理が不可欠であり、商業活動で発生する紙情報・証跡の電子化も認められる)を新設したことでもあります。

 企業の成長戦略を考える上で、今後も「発注書(紙)は捺印して手渡し」「紙書類の運用フローに縛られた業務手順」と言った過去からの商行為コミュニケーションが中心となってしまうとしたら、それは社会全体の流れや競争原理、ステークホルダー全般の利害について再考して、効率や効果を高めるために充分に検討が必要だと言えます。

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