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テストシステム「DHP」の利用者評価(最終)

今考えると、本DHPシステムは詳細設計の不備や実装技術/方法の未熟さ・運用環境の不安定さ、
更には実験設計の不備が重なり、結果としてあまり有用な定量的データが取れず、今まで述べてきた様な
定性的な評価とコメントから価値を表す事になってしまいました。

しかし、活用頂けた利用チームとのMeeting/ヒアリングから、利用後の彼らの行動や価値観、感覚の中に
若干の変化・再認識が生まれてきた手応えを強く感じる事ができました。

私自身も感じた、彼らとの共通した行動・意識の変化は以下の通りです。

■メールとして来る内容は「イレギュラーな事項か、余計な情報」
 DHPチームは私含め2名でしたが、社外には開発パートナー含め4~5名の関係スタッフがいました。
 彼らとは、システム運用やバグ対応、拡張案や他社Saasパートナーとのmash up設計について、
 「ワークリスト」上で取り組むタスクとして明確にし、コミュニケーション(チャット)を頻繁に行っていました。

 勿論「自分たちが使う事で、利便性や必要性、改善点を確認する」為ではあったのですが、DHPの
 各メリットを体感すると同時に「必要な事は"この空間"の中に整理されている」と言う安心感が生まれ、

 逆に、時々確認する電子メールは「予期せぬ内容、計画外の事象」が舞い込んで来る、
 極論「noisy」なBOXと言う感覚になっていきました。

■「無い」事が判る、見える
 「暫く更新されていないワークリストがある」≒「遅延・停滞・問題発生の可能性がある?」と言う予兆、
 「無い事の発見」が可能となった事も重要な発見でした。

 いくら静的なガントチャートを引いたり、プロジェクトマネジメントに特化した専用ソフトを利用しても
 「気配を知る」為には実態・実行動・経過を反映しつづける多大な報告や工数の入力/管理が必要でしょう。
 又、それらはいとも簡単に「メール」と言う「点情報を扱う」別ツールでやり取りされ、当事者間以外には
 見えない所で静かに進行してゆくものです。

 今回1タスク単位の「ワークリスト」をコミュニケーション(チャット)更新日時でソートする事で、すっかり
 会話が無くなった/滞っているタスクが炙り出され、何回かのリスクを回避する事ができました。

■メンバー「プレゼンス・文脈情報」の活用
 日々ログイン時に「今日の体調」「一言コメント」を入力すると、プレゼンスアイコンの背景が「炎上」や
 「草原」に変化したり、「・・日、休みます」「・・を探してます」等のショートメッセージが表示できたりと
 利用者間で面白がって様々に活用されました。

 これは「出来ないから、しなかっただけ」で、「出来るなら、色々な事の表現を考える」と言うシンプルな
 利用者行動で、我々が促さずとも個々にメリットを見出し「文脈情報の生成」が図られたと考えられます。
 逆に「メール」では絶対に成立しない「ツールによる新たな付加情報生成」と言えるでしょう。

以上、当初の「分散・分業時の、場を伴った文脈情報共有は、成果の品質を向上させる」仮説に直接・定量的に
応えられなかったものの、次の研究に繋がる大きな切り口を幾つも得られた貴重な実験でした。


最後に、奇しくも実験終了しシステムstop・データ削除後、暫くしてから以下のニュースを知り、
「(こんな難しい、ITのプロがやるべき事を)あのまま進めなくてよかった・・」と安堵した事を付け加えておきます。

(【試み】コミュニケーションの見える化:終了)
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2009年5月、Googleは新たなコミュニケーション&コラボレーションツールとして「Google Wave」を初披露。
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20394036,00.htm

「Google Wave」
http://code.google.com/intl/ja/apis/wave/

ツール評価と1年以上経った現在も「広まらない・使われない理由」(一部メディアの意見)
http://jp.techcrunch.com/archives/20091126why-google-wave-sucks/

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