「パターンとシーケンス」と言う考え方は「データを(ヒトが知覚し・解釈する)情報として構成し直すルール」のひとつであり、
本質的に「ヒトの思考パターンの特性」から生まれています。
結果、「パターンとシーケンス」に沿って自分と相手の頭の中をすり合わせてゆく事をコミュニケーションと呼ぶ、とも言えるでしょう。
例えば、マネジメント層と研究進捗の報告や打合せをしている時、私の話を聞きいていた相手の顔が突然「曇る」事があります。
この時、相手の頭の中では、私が提示した「パターン(出現する要素/単語・その関係の妥当性)」に対する疑問や気持ち悪さ、
「シーケンス(出現要素の時系列配置や因果/相関関係)」に対する不自然さや歪みが感じ取られていて、
それらが原因となって「よく判らない」「・・・と言う事か?(相手のパターンとシーケンスに沿って再編集された提示)」という様な
反応が返ってきます。
そしてこのコミュニケーションの結果、私にとってだけではなく第三者から見ても妥当な「パターンとシーケンス」が再構成され、
確認や判断といった当初の「目的」が達成されてゆきます。
これらの「ヒトの思考パターン」は、考え方として「線と面の思考術」と言う本の中でとても判り易く単純化されていました。
・線の思考 → 時間と共に順番に配置する、現れてくるものを認識する能力
・面の思考 → 時間を必要とせず、一瞬にして全体を見渡し把握する能力
「線と面の思考術」大和書房 袖川芳之 2008
線(シーケンスを中心とした)の思考とは「論理性・客観性・一貫性」を好み、「自分と他者間で理解を得る目的」の為に
「時間や変化の流れ」に沿った「他者と容易に共有できる思考原理」であり、現状の多くのコミュニケーションや
ビジネスシーンでは最も基本的で重要な能力と言って良いでしょう。
更に拡大して解釈してゆくと、線の思考を支える基本手法は対象者間で解釈にブレが生まれにくい「記号・文字」であり、
その処理は左脳を中心とした言語処理優先脳(一つの事に集中し、時系列・リニアに処理する)で行われています。
また、別な視点では「文学や音楽」を知覚・解釈し、楽しむ・感じるプロセスにもこの能力は活用されます。
これに対して、面(パターンを中心とした)の思考とは「直感的・主観的・自分だけの特殊なもの」であり、
論理性や客観性より「自他共に感覚的に納得・腑に落ちる事」が目的となる「感性的・主観的・固体依存思考原理」で、
個性や個人差が生まれ易い、一瞬で多くのデータ・情報を取り扱えると言った特性があります。
こちらは「見えるもの」や「感じ取るもの、描くもの」(「絵画・空間」を知覚・解釈する時にも活用される能力)を対象とした
右脳中心の空間知覚・映像処理優先脳(同時に複数の事を並行に処理する)が対応していて、その媒体は
「映像シンボルの視覚的処理=形や大きさ・色・奥行き」等の視覚的刺激を中心としています。
実はこの「面の思考」、ヒト生物学的には「より根源的な、動物的な能力」だそうです。
と言うのも、ヒトは本来「視覚生物(=視る事で情報を処理する能力が高い生物)」であり、
進化の過程で他の個体との意思疎通の為に「叫ぶ・聴く事で情報を処理する能力」を高めていき、
最後に意味や意図を「記す・視る事で情報を処理する能力」を獲得してきた背景があると言えるでしょう。
(続く)
















