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経理業務の効率的方法│会社単位・個人単位で出来ることを徹底解説

経理業務の効率的方法│会社単位・個人単位で出来ることを徹底解説

公開日:2022年11月28日 更新日:2023年10月18日

経理業務は企業によっては少人数で回していることも多く、忙しい時期は多忙になりやすい部門です。業務を効率化して作業の負荷を減らすには、フローの見直しや改善が欠かせないでしょう。今回は経理業務を効率化する方法について解説します。経理が煩雑になりやすい理由や効率化を目指す理由だけでなく、実際に取り組める改善案を個人規模と会社規模の両面から提案します。業務効率化を目指している場合はぜひ参考にしてください。

経理業務が非効率になる原因とは??

経理業務の効率化を進める上で、まずは非効率になる原因を把握することが大切です。ここでは、経理業務が非効率になる主な原因や背景について解説します。

属人化しやすい

経理は簿記を始めとした専門知識が必要なことから、他の業務と比べても属人化しやすい業務と言われています。属人化とは、特定の業務や役割が一人の担当者に集中してしまうことです。取引先との力関係により要求にこたえていくうちに複雑化した業務フローの一部について担当者以外の誰も知らないため、担当者がいないと何もできない状態になります。
マニュアル化や引継ぎで属人化を防ごうとしても、決算業務の期限が近づくと忙しくなり、業務を回すことで精いっぱいになることもあるでしょう。結果として毎年特定の担当者が同じ業務を行い、作業分散による効率化や改善の提案がしにくくなるというわけです。

ペーパーレス化が進んでいない

近年では経理のペーパーレス化が推進されていますが、それでも今までどおり紙で業務を行う会社も少なくありません。経理は決まった業務フローが重視されがちな部門です。他の業務はデジタルに移行しても、経理だけは従来のまま業務を進めている事例は珍しくないでしょう。
しかし、手作業と比べてペーパーレス作業はミスが少なく保管場所も取らないという大きなメリット があります。仮に手違いが発覚した場合でも差し戻しにかかる手間を大きく減らせるため、作業時間の削減につながります。紙での管理では印刷や郵送、保管場所の確保など細かい作業に時間がかかるので、どうしても効率は落ちるでしょう。
また、ペーパーレス化を進めることで、テレワークができたり、コスト削減につながったりするメリットもあります。

ミスが許されない

経理は数ある業務の中でもミスが許されない分野です。会社の信用にも関わるため、経理の不備で取引先に迷惑をかけると最悪の場合、会社の信用低下につながる恐れがあります。
経理はミスを防ぐためセルフチェックやダブルチェックが欠かせません。ひとつひとつの確認や伝達にかかる時間はわずかでも、毎日積み重ねれば膨大な時間がかかっているはずです。また、ミスが発生する背景には「締め」から「発送」までの時間が決まっており、イレギュラー処理を含めると余裕をもって作業・調整をするということができない業務であることも関係しています。

経理業務の効率化が求められる理由

経理業務を効率化することで、社員の負担やコストなど会社経営にまつわるリスクを減らすことができます。同時に、経営判断を迅速に行えるというメリットも生まれるでしょう。以下で効率化が求められるすべき 理由について解説します。

社員の負担を軽減するため

非効率な業務の進め方は社員の大きな負担となります。経理部門に限って言えば月末や月初め、決算期などの繁忙期に業務が集中し、残業が増えがちです。
特に業務が属人化している場合は特定の社員に業務量が偏る可能性も十分考えられます。急病など何らかの事情で担当者が不在になったら、会社の根幹を支える経理業務が立ち行かなくなるリスクもあるでしょう。
最悪の事態を防ぐには、経理業務の効率化を通じて社員の負担を軽減することが肝心です。具体的な方法は以下で詳しく解説しますので、参考にしてください。

コストを削減するため

企業が利益を上げるには、売上を増やすだけでなくコスト削減にも取り組む必要があります。特に経理は直接の売り上げを出さない分、作業時間の電気代・印刷費・送料などの物的コストの削減がそのままコスト減につながります。例えば、ペーパーレス化が社内に浸透すれば印刷代や送料を大きく抑えることが可能です。経理システムなど効率化にかかる費用と比較してもコスト削減のメリットが多きいなら、検討する価値は十分あるでしょう。

迅速に経営判断をするため

経理は出納や記帳、集計、給与計算などの基本業務以外にも、経営判断に必要な決算資料を作成するという重要な役割があります。日々の経理業務を効率化することで、決算資料の作成に注力できるでしょう。
企業によっては、事業計画案の制作など一歩踏み込んだ提案もできるかもしれません。経理部門がルーティンワークに終始せず、決算資料をすばやく作成したり経営判断にも関わったりすることで、結果として会社全体の意思決定が迅速に下せるようになります。

経理業務を効率化するためのポイント

効率化も闇雲にチャレンジするだけでは労力を浪費してしまう恐れがあります。まずは作業の洗い出しをしっかり行い、手順に沿って見直しを行いましょう。効率化のポイントを紹介しますので、参考にしてください。

業務を可視化する

まずは実際の業務内容をすべて洗い出しましょう。このとき大切なことは、内容を文字や図、表に起こして可視化することです。人間は視覚を頼りに多くの物事を判断しています。文字に落とし込むだけでも問題点や修正したい点がはっきりとするので、ぜひ目で見える形で整理してみましょう。業務を洗い出した後はそれぞれの部分に無駄なところはないか、非効率な部分はないかを検討します。業務のすべてを一度に改善することは難しいですが、一部だけならシステムの導入やアウトソーシングによって解決できるかもしれません。

ECRSの原則に従って業務内容を見直す

業務の無駄や非効率な部分を探し出すには、ひとつひとつ比較、検討することが大切です。ここではECRSの原則を活用しながら見直すことをおすすめします。ECRS(イクルス)の4原則は業務改善を行うための手順です。元々は製造現場における効率化を志して作られましたが、現在はそれ以外の分野でも活用されています。
ECRSは以下の4ステップから成り立っており、上位の項目ほど実施した場合の改善効果が大きいと言われています。

●Eliminate(排除)
●Combine(結合・分離)
●Rearrange(順序の変更)
●Simplify(簡素化)

以下で具体的な考え方や業務例を紹介します。

Eliminate(排除)

Eliminate(排除)は業務自体をなくすことはできないかを検討することです。例えば前々から行っている報告書の作成や週例会議も、見合うだけのリターンが少ないなら単に惰性で行われていただけかもしれません。業務の排除は手間もコストも少なく、改善効果も大きいことから、一番に検討すべき 内容と言えるでしょう。

Combine(結合・分離)

Combine(結合・分離)の段階では、業務を統合したり集中したりできないか、あるいは業務を分離できないかを考えます。
違うフローに散らばっていた清算業務を一本化したり、社員に直接システムへ入力してもらったりするなど、手間を減らすことで効率化を図ります。逆に属人化していた業務の分割など、作業を分離することによる負担軽減も検討することが大切です。

Rearrange(順序の変更)

Rearrange(順序の変更)では、作業手順や担当者などの入れ替えを行います。順番や場所を変更することで効率化ができないかという考え方です。ダブルチェックの実施者を変えたり、上長による確認のタイミングを変えたりすることなどが考えられます。
他にもExcelで管理していた作業をシステム化するなど、ある業務の中身や実施者を入れ替えることもこの段階で検討します。古いシステムを入れ替えることで作業スピードが上がるかもしれません。

Simplify(簡素化)

Simplify(簡素化)の段階では、個々の業務を単純化できないかを検討します。作業そのものをなくすわけではないので削れる作業も微々たるものですが、長く続けることで最終的には大きな効率化につながる部分です。特に経理業務では、簡素化することでミスの発生や属人化の防止にもつながるケースもあります。上位3つの手順を踏むだけでも効率化は進みますが、最後まで手を抜かずに取り組むことをおすすめします。

個人単位で取り組める経理業務の効率化

業務の進め方を見直す

前任者からの引継ぎやマニュアルに沿って業務を行う場合でも、前任者の好みに最適化されており自分に合わないケースがあります。また、マニュアルのやり方がそもそも非効率になっているケースも考えられます。まずは担当している業務の進め方を見直しましょう。進め方を見直す際にはECRSの4原則を活用すると、改善すべき ポイントが見えてきます。特に簡素化は他の人の作業に響きにくく、トライアンドエラーも実践しやすいため、最初の一歩としておすすめです。

優先順位をつけて取り組む

優先順位をつけることは効率的に業務を進める上で重要なテクニックです。見直しの段階で抱えている業務を洗い出したら、次に優先順位と手を付ける順番を割り振ります。業務の進め方に迷いが生まれると、必然的に手は止まってしまいます。期日が近い業務や重要度が高い業務にすぐ取り組めるよう、実施順にも気を配りましょう。
また、重要度の高い業務はなるべく集中できる環境で行うこともおすすめです。朝早くに出社する、集中スペースなど別室で業務を行うなど、外部からの影響を受けない時間を工夫して設けましょう。

書類やファイルを整理する

作業スペースを整理整頓し、作業環境を整えます。デスクの上に置きっぱなしの書類や、散乱しているファイル類は集中を妨げ業務効率を落とす原因になります。またパソコンの画面上でも、どこに保存したのか分からない、中に何が書いてあるか読み取れないファイルは同じように作業の邪魔になっている可能性が高いです。
目当ての書類を探すのに1日10分かけた場合、1週間で1時間弱、1年間(出社日240日)で約40時間を無駄にする計算です。小さなことからコツコツと無駄の削減を進めていきます。

一人で抱え込まない

労働時間の削減も大切ですが、まずは割り当てられた仕事を完遂することが前提です。業務を一人で抱え込みすぎると、仕事が回らなくなり期日に間に合わない可能性もあります。
業務は必要に応じて他の人に分担することも大切です。分担には作業の重要度や依頼する相手の仕事量など多くのポイントを見極める必要があります。円滑に分担すれば部門全体の効率化にもつながるので、積極的にチャレンジしてみましょう。

システムやツールを活用する

社内ですでにシステムやツールなどを導入している場合はできるだけ有効活用します。導入費用のかかる専門的なツールを手軽に使えるだけでなく、社内のやり取りにかかる手間を減らすことができます。
スケジュールの共有カレンダーや、簡単なチャットで会話できるコミュニケーションツールはメールなどと比べて手軽で記録も残るツールです。万が一ミスが起きた場合も記録があれば原因を特定しやすくなるので、修正時間の短縮にもつながるでしょう。

会社単位でできる経理業務の効率化

大幅な効率化には会社単位での変更が欠かせません。個人では難しい大規模な効率化案を以下に記載します。個人からチーム、部署、会社とミクロからマクロまで一丸になって効率化を目指すことで、大幅な無駄の削減が狙えます。

他部門と協力できる体制にする

他部署との連携を強化することで、結果的に経理部門の効率が向上する可能性があります。経理は社内のあらゆる部門から情報が送られる特殊なチームです。このため、経理業務の効率化は経理だけでなく他部門の協力も必要不可欠です。例えば経費精算にかかる入力作業を各部門の担当者に行ってもらう方法もあります。バラバラに送られると個別に対応する手間がかかりますが、部署ごとに一元化してもらえば応対件数をぐっと減らせるでしょう。

キャッシュレス化を進める

小口現金を廃止し、法人カードや電子マネーなどを利用したキャッシュレス化を推進することで経理業務の負担を軽減できます。経理側は、毎月の経費精算がデータで届くようになり、数字の再入力や確認作業が減るメリットがあります。また、銀行への出金や小口現金出納帳の廃止など、お金にまつわる細かい作業が減ることもメリットです。
キャッシュレス化を進める際は周知を徹底し十分な移行期間を設けましょう。経理部門だけでなく、他部署側のメリットも合わせて伝えることが肝心です。

支払日を毎月1回に統一する

取引先の支払い条件に合わせていると、支払日が月に複数回発生するだけでなく、手続きごとに手間がかかります。そこで支払い日を月に1回と定めることで、支払い業務にかかる時間を大幅に削減できます。開始前には関連企業へのアナウンスをしっかり行いましょう。
あわせて、社員への支払日も都度計算ではなく1回に統一するとさらなる効率化が図れます。この場合はキャッシュレス化と並行して行うことで、立て替えた経費を給料と一緒に振り込む形に変更できます。

システムを導入する

各種経理システムを導入すれば、キャッシュレス化やペーパーレス化を最短距離で実施できます。例えば電子帳票配信システムを導入すれば紙での郵送・保管を減らせます。
システムはECRSの4原則における排除や結合・分離に関わり、少ない手間で大きな成果を上げることが見込まれます。パソコンやインターネット環境があれば社外からでも作業ができるので、テレワークが推進される昨今の状況にも適しているでしょう。

アウトソーシングをする

適切な作業量の見積もりと明文化ができれば、経理業務の一部をアウトソーシングすることも選択肢に入れられます。アウトソーシングできる内容は依頼する事業者にもよりますが、記帳や給与計算、年末調整、決算書の作成などが代表的です。経理部門の人出不足を緩和できると同時に、委託のためには作業を分割できる形に整理しなければならないことから、属人化の解消にもつながります。ただし経理人員の育成にはつながらない、逆にコストが高くなる恐れもあるなどデメリット もあるので、他の効率化方法と比べながら最適なやり方を探しましょう。

システム導入による経理業務効率化の事例

経理業務の効率化のために、システムを導入する企業も少なくありません。今回は電子帳票配信システム『@Tovas』を導入したことで帳票類の送付業務を大幅に削減した会社の事例を紹介します。
オフィス用品や日用品の通販サービスを扱う同社では、今まで月に2,000枚以上の支払明細書を発行・郵送していました。送付業務の負担が課題となると同時に、ヒューマンエラーによる情報漏洩のリスクや複雑化した経理システムの運用にも懸念がありました。
そこで電子帳票配信システム『@Tovas』を導入したところ、印刷や郵送にかかる作業時間が大幅に減少、最終的には請求書の全件電子化にも成功しました。今はコストが軽くなったことで効率も上がり、テレワークの推進にも役立っています。

詳細は以下事例をDLの上、ご確認ください。

『請求業務の効率化』事例一覧はこちら

まとめ

経理業務を効率化することで、担当者一人ひとりの負担軽減につながる可能性があります。結果として、他の仕事に専念できたり残業時間が減ったりするメリットが得られるでしょう。ワークライフバランスの実現にもつながりやすくなります。経理業務を効率化する方法の一つがペーパーレス化です。日々の業務を電子化することで個別の数字を扱う必要が薄くなり、効率化につながります。各種経理システムを導入すればミスが少ない健全な経理に近づくでしょう。例えば電子帳票配信システム『@Tovas』は、帳票類を電子化し、Web上で配信できるシステムです。帳票類の印刷や郵送にかかる業務負担を軽減できるので、経理業務を効率化する一つの方法として導入を検討してはいかがでしょうか。

@Tovasマーケティング担当(コクヨ株式会社)

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