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経理を外注する際の注意点とは?相場感や業者選びのポイントを解説

経理を外注する際の注意点とは?相場感や業者選びのポイントを解説

公開日:2023年1月6日 更新日:2023年10月18日

経理部門の人手不足や業務負担の解決策として、外注を検討する企業は少なくないでしょう。しかし実際に経理業務を外注するとなると、どのくらい費用がかかるか、どのような業務を委託できるかが気になるかもしれません。そこで今回の記事では、経理外注の相場感や業者選びのポイント、外注する場合の注意点などを解説します。経理業務の外注により効率化を図るには、何に気を付ければよいかがわかるので、ぜひ参考にしてください。

経理外注とは?どのようなサービスなのか?

最初に経理外注とはどのようなサービスなのか、以下の3点から基本的なところを説明します。ここでは経理外注の業務範囲や種類、主な外注先を確認しましょう。

経理外注の業務範囲

経理業務を外注する際は、記帳業務や給与計算、年末調整、決算書の作成などの業務を依頼するのが一般的です。
一口に経理業務といっても、資産管理、予算・決算関連、税務・保険等関連、資金管理、社内経費関連など、さらに細かくわけることができます。その中でも記帳業務や給与計算、年末調整、決算書の作成は法律や施行規則に基づき進める部分が多い業務です。どの会社でもやるべきことはさほど変わらないため、外注しやすいでしょう。経理代行業者や税理士・会計士事務所でも、これらの業務は対応してくれることがほとんどです。業者や事務所によっては、業務改善やコンサルティングなど、より高度な業務を提供しているケースもあります。

経理外注の種類

経理外注は派遣型とリモート型の2つに分かれます。派遣型はオフィスなど所定の場所にスタッフが出向いて業務を行うパターンです。情報を外部に持ち出さないので情報漏洩のリスクが低い上に、対面で指示を出せるので柔軟な対応もしてもらえます。ただし、コストは高くなりがちです。一方、リモート型はスタッフが自宅などからパソコンを使って経理業務を行うパターンです。進捗状況をオンラインで確認できるため、業務をスリム化できます。ただし直接顔を合わせないため、コミュニケーションミスが生じないよう、指示を明確に出すなどの配慮が求められます。

経理業務の外注先

経理業務の外注先は、主に以下の3つです。

・経理代行業者
・税理士事務所
・公認会計士事務所

経理代行業者とは、経理のアウトソーシングを主な事業にしている会社を指します。税理士事務所・法人や公認会計士事務所・法人が関連会社として立ち上げていることも珍しくありません。記帳代行や決算申告書の作成、請求書の発行など、一般的な経理業務に比較的リーズナブルな料金で対応してくれます。ただし税金の申告、大企業や上場企業の会計業務など、資格や高度な知識が必要な業務は、経理代行業者では対応できない可能性があります。税金の申告を依頼したいなら税理士事務所へ、大企業や上場企業であるなら公認会計士事務所へ依頼しましょう。

経理を外注する場合の相場感は?

経理を外注する場合の費用は、依頼する業務内容によって千差万別です。例えば、記帳業務を依頼する場合は、仕訳の数が増えれば増えるほど料金も跳ね上がります。料金の目安は以下のとおりです。

100仕訳まで:1万円
101~200仕訳:1万5,000円
201~300仕訳:2万円
301~400仕訳:2万5,000円
401仕訳~:3万円

1仕訳あたり50円から100円程度といったところでしょう。給与計算を依頼する場合は、従業員1人あたり1,000~2,000円と考えましょう。年末調整や労務手続など、追加で業務を依頼する場合は、その分の費用も上乗せされます。決算書作成や法人税申告を依頼する場合は、事業規模によって費用が異なるのが実情です。大体5万円から20万円程度ですが、会計士などの専門家に依頼する場合は15万円から25万円程度をみておきましょう。

経理外注のメリットとは?

経理業務は時期によって多忙になりがちです。経理業務を外注することで時間的な余裕が生まれます。また業務の質が向上する可能性もあるでしょう。ここでは、経理外注のメリットを解説します。

人手不足を解消できる

経理業務を外注することで、人手不足の解消につながります。経理業務を進めるには、専門的な知識やスキルが不可欠です。そのため、採用活動を行ったとしても、求める条件を満たせる候補者がすぐに見つからない可能性もあります。すでに在籍している従業員だけで業務を回す状態が続く限りは、業務負担も減らせないでしょう。しかし経理業務を外注すれば、あらたに人を採用しなくても、業務負担を減らすことが可能です。

長時間労働を削減できる

長時間労働を削減できることも、経理業務の外注がもたらすプラスの効果です。経理業務の特徴として、月末や決算期など、特定の時期に業務が集中しがちなことが挙げられます。定時を大幅に過ぎる残業が発生したり、土日出勤が発生したりすることも珍しくありません。しかし業務の一部でも外注できれば、従業員が対応すべき業務を減らせます。余裕をもって業務に取り組めるため、繁忙期の長時間労働を削減できる可能性があるでしょう。

コア業務に専念できる

経理業務のうち、定型的な仕訳入力など時間がかかる作業を外注することで、コア業務に専念できるようになります。コア業務とは、企業活動の根幹をなす利益に直結する業務のことです。経理業務の中では、予算と実績の差異分析、会社にふさわしい管理会計の見直しなどがコア業務に該当するでしょう。定型的な仕訳入力など、利益に直結しない業務(ノンコア業務)を外注することで、コア業務に専念できる体制が整います。

業務の質が向上する

社内にスキルの高い人材がいない場合は、経理業務を外注すれば業務の質が向上します。本来、経理業務はミスが許されません。しかしスキルの足りない従業員が対応するとミスはやはり起こり得ます。個々の従業員のスキルを高めることは重要ですが、すぐに上達するものではありません。高いスキルを持った人材が多い業者へ経理業務を外注すれば、業務の質を高められる可能性があります。専門知識が豊富なプロに任せられるのでミスの発生も大幅に減らせるでしょう。

法改正に迅速に対応できる

法改正に迅速に対応できるのも、経理業務を外注するメリットの1つです。税法や社会保険など経理業務に関連する法律や制度は毎年のように改正されているため、こまめに対応しなければなりません。対応の遅れは修正申告や追徴課税などのトラブルにつながります。しかし社内に詳しい人材がいなければ、かなりの負担になるでしょう。そこで経理業務を外注すれば、法改正に詳しい担当者がいなくてもスムーズに対応してもらえます。

属人化を解消できる

経理業務の外注により、属人化を解消することも可能です。経理業務の特質として、属人化しやすい点が挙げられます。つまり、担当者が仕事を休んだ場合、業務が回らなくなるということです。病気療養などで長期に渡って休んでしまうと業務がストップするおそれもあります。しかし経理業務を外注すれば、担当者以外でも業務を進められるようになります。担当者が休んだため仕事が回らないという事態を大幅に減らせるでしょう。

経理の外注先を選ぶ際のポイント

経理の外注を検討しているものの、どこへ外注すればいいのか悩んでいる担当者もいるでしょう。外注先によって委託できる業務範囲や業務対応の方法、業務の専門性などが異なります。ここでは、経理の外注先を選ぶ際のポイントを解説します。

委託できる業務範囲

委託できる業務範囲は事前に確認しましょう。外注先によっても対応できる範囲は異なります。そのため外注したい業務の範囲が実際にどこに頼むかを決める際の1つの判断基準になるはずです。また、依頼することで社内業務の流れがどのように変わるかも把握しておきましょう。資料の送付やスケジュール管理など外注することによって新たにタスクが発生する場合は、関連する従業員や部署と事前に調整しておかなければなりません。

業務対応の方法

すでに触れたとおり、業務対応の方法は社内にスタッフを派遣してもらう方法と、リモートで行ってもらう方法の2パターンがあります。どちらの方法を取るかによって、社内での対応範囲やコストも変わってくるので要注意です。加えて、業務に慣れるまでのフォローに当たる従業員への事前研修やマニュアルの準備などの付随業務も発生します。スムーズに業務を進めるには、どのように対応してもらうのがよいか、社内で話し合いをしましょう。

業務の専門性

業務の専門性や質の高さも外注先を選ぶ際の重要なポイントです。例えば、日常的な仕訳を中心にした記帳業務を外注するなら、簿記検定3級もしくは2級に合格しているスタッフでも十分かもしれません。しかし税金の申告や有価証券報告書の作成など高度な業務を外注したいなら、税理士などの専門家に依頼する必要があります。外注先を選ぶ際は企業としての規模やスタッフの人員、有資格者の在籍状況や受注実績などを元に検討しましょう。

費用対効果

費用対効果も、経理業務の外注にあたってはチェックすべき項目の1つです。現状において経理業務にかかっているコストと、外注した場合のコストを比較し、どれだけ削減が見込めるかを検討します。コスト削減が見込めそうにないなら、外注先を変更するか、業務フローの見直しをするなど、別の施策も選択肢に入れる必要があります。ただし費用があまりに安すぎる外注先の場合、業務の質も高くない可能性があるので慎重に判断しましょう。

セキュリティ対策

外注先の選定にあたっては、セキュリティ対策も意識しましょう。経理業務は会社のお金の流れに関するデータを扱うため、情報漏えいなどの深刻なトラブルが起きたら企業としての信頼を失うことになります。トラブルを避けるためには、相応のセキュリティ対策を講じている外注先を選ぶことが非常に重要です。企業機密をどのように取り扱うのか、セキュリティ対策としてどのような取り組みをしているのかを事前に確認しましょう。

経理業務を外注する場合の注意点

経理業務を外注する際、注意しておきたいこともあります。外注することで、かえって経理担当者の負担が増えてしまうことは避けたいところです。ここでは経理外注の注意点を解説します。

イレギュラーな対応ができない

経理業務をすべて委託してしまうと、会社のキャッシュフローを把握できなくなる可能性が出てきます。経営状況の把握がしづらいため、資金ショートなどの重大なトラブルが起きるまで気付かない可能性もゼロではありません。社内にキャッシュフローの状況を把握している担当者がいないと、何らかの問題があったとしても対応できなくなります。経理業務を外注するなら、深刻なトラブルが起きた場合でも、すぐに対応してくれる業者かを見極めた上で依頼しましょう。また社内にもキャッシュフローを含めた経理の状況を把握している担当者を設置してください。定期的に外注先の担当者と社内担当者でミーティングを設け、情報共有をすることも効果的です。

社内で人材が育たない

社内で人材が育たないことも、経理業務を外注するデメリットの1つです。経理業務を外注すると、知識やノウハウが社内に蓄積されなくなる可能性があります。そのため社員の知識向上やスキルアップといった育成も難しくなるでしょう。さらに何らかの事情で外注先に委託できなかった場合、対応できるスタッフがいないという事態にもつながりかねません。別の外注先にすぐに委託できれば問題ありませんが、引継ぎが難航した場合、その間の業務はストップします。また外注していた業務を社内の担当者へ引き継ぐ場合は、あらためて業務フローを見直さなければなりません。担当者への教育やマニュアルの整備などの作業も発生する点に留意しましょう。

想定よりも業務を効率化できない

経理業務を外注したものの、想定よりも効率化できない事態も起こり得ます。経理業務を外注するには、業者と業務内容やフローを共有しなければなりません。マニュアルを作成したり、業者の担当者に対し説明したりする必要があり、外注先との調整に時間がかかることもあります。外注した結果、かえってコストがかかってしまうこともあるかもしれません。また実際に経理業務を委託したものの、想定していたよりも工数が減らず、効率化につながらない可能性もゼロではありません。外注先からの質問対応に時間を取られたり、作業の再チェックが必要になったりなど、追加の作業が生じるケースもあります。想定よりも業務を効率化できなかった場合は、外注以外の方法を検討する必要があるでしょう。

まとめ

経理業務を外注する場合は、費用対効果や業務範囲、対応のしかたなどを踏まえて外注先を選びましょう。経理業務の外注により経理部門の負担を減らせる可能性はあります。一方で状況を把握できる担当者が不在になったり、想定よりも効率化できなかったりするケースもあるため十分な検討が必要です。経理業務を効率化できる手段は外注だけではありません。システムの刷新も十分に効果があります。電子帳票配信システム『@Tovas』は、手間や時間のかかる証憑書類の送付を取引先の要望に合わせ、電子・郵送・FAXなどの手段で自動配信できます。経理業務の効率化を目指している場合は、ぜひ導入をご検討ください。

@Tovasマーケティング担当(コクヨ株式会社)

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