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発注書と注文書の違いとは?取引における役割と作成方法を解説

発注書と注文書の違いとは?取引における役割と作成方法を解説

公開日:2024年4月17日 更新日:2024年4月26日

発注書や注文書は、商品やサービスの提供を申し込む際に発行する書類です。名前こそ違いますが、法的な違いはなく、基本的には同じような役割を持っています。ただし企業によっては、両者を使い分けているところもあるため、注意が必要です。

本記事では、発注書と注文書の違い、取引における役割や作成方法などを解説します。発注業務を効率化するための方法や、システムの導入事例なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

発注書と注文書の違い

発注書と注文書は、多くの方にとっていずれもなじみのある書類なのではないでしょうか。この2つは、基本的には同じ書類として扱われています。ただし企業によっては両者を別物として取り扱っているケースもあるため、注意が必要です。ここでは、発注書と注文書の違いを簡単に解説します。

発注書と注文書は基本的に同じ

発注書と注文書の間には、法的な違いは存在しません。どちらの書類も、商品やサービスの購入や依頼を正式に記録するために使用されます。法的な違いもなく、書類を発行する目的・役割も同じです。

ただし一部の企業では、発注書と注文書を以下のように使い分けています。

・発注書:サービスや業務を依頼する際に使う
・注文書:物品を購入する際に使う

とはいえこの区分は法的な基準に基づくものではなく、企業方針や業界の慣習によるものです。

なお後ほど詳しく解説しますが、日本では下請法(下請代金支払遅延等防止法)が適用される取引において、発注書(注文書)の発行が義務付けられています。取引条件を明確に記載した書類を発行し、下請事業者との公正な取引を促すためです。

※参考:公正取引委員会.「下請法 知っておきたい豆情報 その1」

発注書と発注請書は発行者が異なる

発注書とよく似た名前の書類には、発注請書というものもありますが、この2つは発行者が異なります。発注側(買い手)が発行する発注書に対して、発注請書は受注側(売り手)が、注文を受け付けたという旨を伝えるために発行する書類です。

発注請書には、受注した商品やサービスの詳細、数量、納期、その他特別な条件などが記載されています。取引条件への同意を明示すれば、双方の認識のずれを防ぎ、スムーズに取引を進められるでしょう。

発注請書の発行は、法的に義務付けられているわけではありません。ただし業界の慣習や取引条件によっては、発注側から発注請書の提出を求められる場合があります。

取引における発注書(注文書)の役割

取引における発注書(注文書)の役割は、次のとおりです。

・取引内容を確認する
・双方で意思確認をする
・証拠として残す

それぞれの役割を詳しく解説します。

取引内容を確認する

発注書(注文書)の役割は、書面で取引内容を確認してもらうことです。発注書(注文書)には、発注側(受注側)の詳細や発行日、取引内容、金額など取引に関するさまざまな情報が記載されています。

口頭だけのやり取りで取引を進めると、認識の違いによりトラブルになる恐れがあります。例えば、注文していたものと異なるものが納品された、納品日になっても商品が届かないなどのケースです。

双方で意思確認をする

双方で意思確認ができることも、取引における発注書(注文書)の重要な役割です。発注書(注文書)の発行は、商品やサービスを購入、または依頼する明確な意思があることを表します。

受注側は発注書(注文書)の内容を確認した上で、発注を受けるかどうかの意思を伝えられます。発注の意思表示があいまいな状態であれば、発注書(注文書)の発行によって、依頼を確定させられるでしょう。

証拠として残す

発注書(注文書)があることで、発注内容を証拠として残せることも重要なポイントです。受注側は、提供した商品やサービスに対して請求書を発行する際、発注書(注文書)の内容を根拠とします。

また発注書(注文書)を保管しておくと、企業は過去の発注内容をいつでも確認できます。予算計画や将来の取引戦略を立てる際に活用できるだけでなく、トラブル解決の手段の一つとしても役立つでしょう。

発注書(注文書)は発行義務がある?

発注書(注文書)は、下請法が適用される取引では、発行義務が生じます。以下、発行義務があるパターンや、下請法が適用になるケースを詳しく解説します。

下請法適用の場合は発行義務がある

親事業者は、下請法が適用になる取引では、下請事業者に対して発注書(注文書)の発行が義務付けられています(下請法3条)。

上記規定の主な目的は、取引における力の差から不当な扱いを受けやすいとされる、下請事業者の保護です。発注書(注文書)により取引の条件が明確になるため、下請事業者が一方的に不利な条件で取引せざるを得ない状況に陥ることを防ぐことができます。

下請法の正式名称は「下請代金支払遅延等防止法」であり、本質的には下請事業者に対する代金支払いの遅延を防ぎ、公正な取引環境を確保するための法律です。違反した場合、公正取引委員会から罰則を受けることもあるので注意が必要です。

※参考:公正取引委員会.「下請代金支払遅延等防止法」

下請法が適用になるケース

下請法適用になるかどうかは、取引当事者の資本金と取引内容によって決まります。資本金の区分は次のとおりです。

【1.物品の製造・修理委託および政令で定める情報成果物作成・役務提供委託の場合】

・親事業者の資本金3億円超かつ下請事業者の資本金3億円以下
・親事業者の資本金1,000万円超3億円以下かつ下請事業者の資本金1,000万円以下

【2.上記以外の情報成果物作成・役務提供委託の場合】

・親事業者の資本金5,000万円超かつ下請事業者の資本金5,000万円以下
・親事業者の資本金1,000万円超5,000万円以下かつ下請事業者の資本金1,000万円以下
※下請事業者には個人を含む

下請法が適用になる取引は次のとおりです。

・製造委託
・修理委託
・情報成果物作成委託
・役務提供委託

資本金区分と取引内容から下請法が適用になる場合は、発注書面の交付義務があります。

※参考:公正取引委員会.「下請法の概要」

※参考:公正取引委員会.「ポイント解説 下請法」

発注書(注文書)の位置づけと書類発行の流れ

発注書(注文書)の書類発行の流れは、次のとおりです。

・1.見積書を発行する
・2.発注書(注文書)を発行する
・3.納品書を発行する
・4.受領書を発行する
・5.請求書を発行する
・6.領収書を発行する

それぞれのステップを詳しく解説します。

1.見積書を発行する

最初のステップは、見積書の発行です。発注側は商品やサービスを発注する前に、金額や数量、期間などを確認するために受注側に見積もりを依頼します。特にさまざまなサービスから選定する場合、複数の業者に見積もりをかけることが基本です。

受注側は発注側の要望に応じて見積書を作成し、提示します。見積書を発行する際は、金額の内訳やその根拠を明確に示し、もし発注側から疑問があればなるべくスムーズに解消できるよう努めましょう。

2.発注書(注文書)を発行する

次に、発注書(注文書)の発行です。発注側は見積書を確認して、発注するかどうかを判断します。発行された発注書(注文書)には、取引の具体的な条件が記載されており、正式な発注の意思を明示します。

発注書(受注書)を受け取った側が、その内容を確認し、発注を受け入れる意思を示すために発注請書を発行するケースがあります。発注請書には発行義務がないため、あらかじめ合意をしておくとよいでしょう。

3.納品書を発行する

発注書(受注書)を受け取ったら、次は納品書の発行です。納品書は一般的に、商品やサービスが実際に納品されるタイミングで発行されます。納品書の発行によって、納品が完了したことを正式に記録しつつ、発注側に通知します。

納品書は、取引が終了した後も、どの発注に対する納品なのかを明確にするために役立つ書類です。納品書に発注番号を記載すると、その納品が具体的にどの注文に関連するものかを簡単に識別できます。

4.受領書を発行する

発注側は、発注どおりに商品やサービスが納品されたことを確認したら、受領書を発行します。受領書は、発注側が商品やサービスを受け取ったこと、それが発注どおりであったことを明示する書類です。受領書の発行によって、納品された商品やサービスを受領側が確認した事実が証明されます。

品質や性能が重要視される取引では、受領書とは別に、品質検査のプロセスをまとめた検収書が発行されます。

5.請求書を発行する

発注側が商品やサービスが納品されたことを確認したら、受注側は代金を請求するために請求書を発行します。請求書に記載される主な項目は、請求額や請求の内訳、支払い条件(支払い期限、支払い方法など)、納品された商品やサービスの詳細などです。

発注側は請求書を受け取ったら、以下の点を確認しましょう。

・請求された金額が契約条件や発注書、納品書で合意された内容と一致しているか
・納品された商品やサービスの内容が正確に反映されているか

これらの点に問題なければ支払いの手続きを進めます。

6.領収書を発行する

最後は領収書の発行です。発注側は、請求書に記載されている支払い期日までに、合意された代金を支払わなければなりません。支払いは、請求書に記載された方法(銀行振込、クレジットカード支払い、現金支払いなど)で行われます。

受注側は、代金が支払われたことを確認したタイミングで領収書を発行します。ただし銀行振込やクレジットカード払いなどの場合、支払い記録が銀行やクレジットカード会社によって自動的に記録されるため、基本的に領収書の発行は不要です。

発注書(注文書)の作成方法

発注書(注文書)を作成する際は、記載する項目を理解した上で、フォーマットを用意することがおすすめです。以下、発注書(注文書)の作成方法を詳しく解説します。

発注書(注文書)に記載する項目

発注書(注文書)に記載する主な項目は次のとおりです。

項目 説明
タイトル 「発注書」もしくは「注文書」
発注先企業の情報 受注する企業の正式名称、住所、連絡先情報(電話番号、メールアドレスなど)
発注元企業の情報 発注する企業の正式名称、住所、連絡先情報
発行日 発注書(注文書)が発行された日付(西暦から記載する)
発注番号 文書の追跡や管理のために使われる一意の番号
発注日 商品やサービスの発注が行われた日付(発行日と異なる可能性がある)
取引内容 商品名、サービスの詳細、数量、単位、納期など、取引の具体的な情報
金額 取引にかかる総額よび、単価や消費税などの詳細

必要に応じて、支払い条件(支払い期限や支払い方法など)のセクションを設けてもよいでしょう。

発注書(注文書)の例

発注書(注文書)の一般的なフォーマットは以下のとおりです。あらかじめテンプレートを用意しておくと便利なので、作成する際の参考にしてください。

発注書(注文書)を電子化するメリット

前述のとおり、企業間取引においては、発注書(注文書)以外にもさまざまな書類の発行・送付が必要です。これらの書類の発行・送付を電子化すると、以下のようなメリットがあります。

・業務をスムーズに進められる
・コスト削減につながる
・情報漏えいのリスクを軽減できる

それぞれのメリットを詳しく解説します。

業務をスムーズに進められる

発注書(注文書)を電子化するメリットは、業務をスムーズに進められることです。発注書(注文書)などの書類を紙で発行する場合、印刷や封入、あて名書きなどさまざまな作業が必要です。

しかし書類を電子化して電子データのまま発行・送付すれば、印刷や郵送にかかる手間が省けます。さらにシステムを導入すれば、書類の発行や送付をWeb上で行えるだけでなく、書類の保存・管理も効率化できます。

コスト削減につながる

業務の効率化に関連して、コスト削減につながることも、発注書(注文書)を電子化するメリットです。前述のとおり、書類を紙で発行すると、印刷や郵送などのコストが発生します。

法人の場合、帳簿書類の保管期間は原則7年間(※)であり、保管スペースを確保するためのコストもかかってくるでしょう。電子データであれば印刷や郵送、保管スペースの確保にかかるコストが不要になります。

※青色申告を行った事業年度で損失(青色繰越欠損金)を出した場合や、青色申告をしていない事業年度に災害損失金額が発生した場合は、10年間または9年間の保管が必要です。

※参考:国税庁.「No.5930 帳簿書類等の保存期間」

情報漏えいのリスクを軽減できる

情報漏えいのリスクを軽減できることも、発注書(注文書)を電子化するメリットです。紙の書類は簡単に持ち出せるため、盗難のほか、重要な書類を誤って外部に持ち出してしまうといったヒューマンエラーの発生などさまざまなリスクがあります。

電子データの場合も、もちろん情報漏えいのリスクから完全に逃れることは不可能です。しかしパスワードの設定やアクセス権限の付与、アクセスログの取得など、セキュリティ対策の徹底によってリスクを軽減することができます。

【企業事例:株式会社ティービーアイ様】注文書の電子化で業務負担の大幅削減に成功

株式会社ティービーアイ様は、従来は注文書をFAXで送信していましたが、より効率的に送信するために電子帳票配信システム「@Tovas」を導入されました。

「@Tovas」の導入により、自動的に注文書のPDFファイルを送信できるようになり、注文書にかかる業務負担の軽減を実現。注文書の未送信リスクも解消され、再送信作業からも解放されています。

今回の導入では主に注文書の自動送信でしたが、今後は作業発注書数千枚分の電子化も視野に入れているそうです。詳細については、以下のページを参照してください。

▼導入事例【株式会社ティービーアイ様】

注文書のFAX送信をPDFファイル送信に全面シフト。業務負担の大幅削減とガバナンス強化を実現

まとめ

発注書と注文書は、どちらも商品やサービスの発注をする際に発行するものです。基本的に同じ目的で発行されますが、企業によっては使い分けているケースもあります。発注書(注文書)は、下請法が適用される取引の場合、発行が義務付けられています。発注書(注文書)の発行・送付を効率化したい場合は、電子化がおすすめです。

コクヨの電子帳票配信システム「@Tovas」は、発注書(注文書)などの帳票書類を電子化して送付できるクラウドサービスです。「電子ファイル」「FAX」「郵送」から配信手段を選べるため、書類の送付にかかる業務負担を軽減できます。発注書(注文書)の発行・送信を効率化したい場合はぜひご利用ください。

@Tovasマーケティング担当(コクヨ株式会社)

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