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経理業務を電子化する方法3つ!電帳法に対処するポイントも解説

経理業務を電子化する方法3つ!電帳法に対処するポイントも解説

公開日:2023年11月15日 更新日:2023年11月29日

2022年に施行された電子帳簿保存法の改正により、帳簿や書類のデータ保存の要件が大幅に緩和されました。一方で、保存義務に違反したり規定に対応していなかったりした場合の罰則は厳しくなっています。そのため、経理業務を電子化する際には電子帳簿保存法の要件をよく確認しておかなければなりません。

今回は、経理業務を電子化する方法や電子帳簿保存法に対処するポイントなどを解説します。経理業務の電子化を目指している場合は、ぜひ参考にしてください。

経理業務における電子化の現状

電子帳簿保存法の改正により、経理関係書類のデータ保存要件が緩和され、経理業務の電子化が進めやすくなりました。一方で、電子取引を行った場合の電子データ保存義務が設けられ、企業は電子帳簿保存法に対応するために、システムの導入や業務フローの見直しなどの対応を迫られています。

また電子帳簿保存法の改正後、罰則規定が強化されたため、電子データの保存要件に従った対応をすることが重要となっていますので、保存要件をよく確認することが大切です。

経理業務の電子化をする際は、税理士などの専門家やシステム会社とも連携を取り、確実に法的要件を満たせるようにしましょう。同時に、社員に過度な負担をかけない流れで進める必要があります。

経理業務を電子化する方法3つ

経理業務を電子化する方法は以下の3つです。

・電子帳簿保存
・スキャナ保存
・電子取引データ保存

それぞれの保存要件については、電子帳簿保存法で細かく規定されています。ここでは、保存方法や要件を詳しく解説します。

電子帳簿保存

電子帳簿保存とは、電子的に作成した帳簿や書類を電子データのまま保存することを指します。例えば、会計ソフトで作成した帳簿や決算関係の書類を電子帳簿保存法の要件に従って保存することは、電子帳簿保存の代表例です。

なお、現行法(2022年1月1日施行)からは電子帳簿保存の要件が大幅に緩和されています。以下の条件を満たせば、電子帳簿保存が可能です。

・正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)に従って記録する
・システム関係書類等を備え付ける
・パソコン等の操作マニュアルを備え付け、速やかかつ明瞭な状態で出力できるようにする

システム関係書類等とは、以下のものを指します。

・システム概要書
・システム仕様書
・操作説明書
・事後処理マニュアル
・その他関連書類

税務職員による質問検査権に基づく電磁的記録のダウンロードの求めに応じられるようにしなければならない場合もあります。不明瞭な点がある場合には、必要に応じて税理士に確認しましょう。

スキャナ保存

スキャナ保存とは、紙で受領・作成した書類を画像データで保存することを指します。取引先から受け取った請求書や領収書などの帳票書類をスキャニングして保存することはスキャナ保存の代表例です。

従来の電子帳簿保存法において、スキャナ保存には厳しいタイムスタンプ要件や検索要件が付されていました。しかし、現行法ではこれらの要件が緩和されています。

また適正事務処理要件が廃止されているため、従来のように相互けん制、定期的な検査、再発防止についての社内規定を策定する必要がなくなりました。要件の緩和により、改正前までスキャナ保存導入のハードルが高かった企業も、導入しやすくなったといえます。

一方で、不正があった場合の重加算税の加重措置が整備されました。スキャナ保存を導入する場合は法律に照らし合わせて問題がないかを踏まえた上で、業務フローを整備しなければなりません。

電子取引データ保存

電子取引データ保存とは、電子的に授受した取引の情報を電子データのまま保存することです。例えば、請求書や領収書などをPDFにしてメールで送付した場合など、電子的に受け取った場合は、そのまま電子データとして保存しなければなりません。紙に印刷して保存することは認められないため注意が必要です。

なお、従来は電子データを出力した紙で保存することも可能でした。しかし、2022年1月から施行されている改正電子帳簿保存法では、電子データのまま保存することが義務付けられています。より厳密に言うと「真実性の要件」「可視性の要件」の2つを満たす形で保存しなければなりません。以下ではそれぞれの要件について詳しく解説します。

真実性の要件

電子取引データを保存する際は、データの真実性を担保するための要件を満たさなければなりません。具体的な要件は以下の4つです。

1. タイムスタンプを付与した取引情報を授受する
2. 取引情報の授受後、速やかにタイムスタンプを付与する
3. データの記録や削除が記録または禁止されたシステムで取引情報の授受・保存をする
4. 不当な訂正・削除の防止に関する事務処理規程を定め、規程に従った運用をする

「取引情報の授受後、速やかにタイムスタンプを付与する」の「速やか」は、おおむね7営業日以内と考えましょう。なお、大規模な停電・システム障害など不可抗力によって入力できない場合は、解決後すぐに対応するようにしましょう。

可視性の要件

可視性の要件とは、経理業務で保存した取引情報などのデータを「取引年月日」「取引金額」「取引先」で検索できるようにしておくことを指します。可視性の要件を確保するためには、以下の要件を満たさなければなりません。

1. 保存場所に電子計算機・プログラム・ディスプレイ・プリンタ(およびこれらの操作マニュアル)を備え付け、記録事項を画面・書面に整然とした形式および明瞭な状態で速やかに出力できる
2. 取引年月日、取引金額、取引先により検索できる
3. 日付または金額の範囲指定により検索できる
4. 2つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件により検索できる

Excelなど表計算ソフトを使ってデータを保存することもできますが、データの量が多いとあまり現実的ではありません。そのため、システムを導入して対応した方が効率的といえます。

経理業務を電子化するメリット

経理業務を電子化するメリット

法改正を機に、経理業務の電子化を進めている企業は少なくありません。経理業務の電子化には、業務の効率化やコスト削減、セキュリティの強化など、さまざまなメリットがあります。ここでは、経理業務を電子化するメリットを5つ挙げ、それぞれ詳しく解説します。

担当者の負担を軽減できる

経理業務を電子化すれば、請求書や領収書などの書類も電子化されるため、紙への出力や郵送の手間がなくなります。また紙ベースの書類をファイリングする場合に比べ、書類の管理もしやすくなり、検索機能により書類を見つけやすくなることも大きなメリットです。

加えて、電子データは紙に比べると破棄する際の手間もかかりません。経理業務に関わる作業が大幅に軽減されるため、業務の効率化と社員の負担減の両方が達成できます。

省スペース化を実現できる

紙の帳簿や取引書類を保管するには、保管スペースを確保しなければなりません。オフィススペースに余裕がない場合は、書類保管サービスやトランクルームなどを利用する必要がるためコストがかかる点がデメリットです。

書類を電子化することで、オフィスの省スペース化が実現できます。従来、書類の保管スペースとして使っていた場所を他の目的で利用することが可能です。また保管スペースが不要になった分、オフィスの規模を縮小すれば家賃の節約にもなります。

コスト削減につながる

経理業務の電子化により保管スペースが不要になれば、コストの削減にもつながります。紙ベースの書類の場合、ファイリングをしたものを入れる棚や貸倉庫など、物理的な保管スペースを用意しなければなりません。しかし、電子データでの保存であれば、大幅にスペースを減らせるでしょう。

また請求書や納品書などを電子化して送付すれば、印刷代・郵送代などの費用が節約できます。電子取引なら印紙の貼り付けも不要になるため、節税することも可能です。

セキュリティを強化できる

経理業務の電子化により、セキュリティを強化できることも大きなメリットです。紙の書類は偽造や改ざんが容易にでき、セキュリティ面で問題がありました。しかし、変更履歴が残るシステムを導入すれば書類の差し替えや改ざんはできません。

また紙は破損や紛失のリスクがあります。しかし、電子データはバックアップを取っておけば破損や紛失のリスクはありません。さらに、閲覧制限をかければ情報漏えいのリスクも軽減できます。

テレワークを導入しやすくなる

テレワークの導入を検討している場合も、経理の電子化が有効になります。

紙の書類の印刷・押印など出社が前提の業務が多いことから、経理業務を担当する部署でのテレワークの実施は難しいとされてきました。しかし、電子データは社外からの処理が可能なので、テレワークを導入しやすくなります。パソコンやインターネット環境がセキュリティ面で問題がないことが前提ですが、前向きに検討する価値はあるでしょう。

経理業務を電子化する際の注意点

経理業務を電子化することには業務の効率化や法律への対応という意味で意義がありますが、注意すべき点もあります。ここでは、注意すべき点として以下の3点について解説します。

初期費用がかかる

経理業務を電子化するためにシステムを導入する場合は、導入時に初期費用がかかります。システムに対応したパソコンやスキャナなど機器類の購入費もかかることがあるため、数百万円~数千万円の出費になる可能性もあります。

一方で、電子化で書類の保管にかかる費用や印刷・郵送代などのコストは削減できるため、長期的に見れば初期費用を回収できるかもしれません。事前に見積もりを取ってもらい、初期費用を回収できるかシミュレーションしましょう。

業務フローの見直しが必要になる

経理業務の電子化に対応できるように、業務フローを整備しなければなりません。加えて、システムの導入や入れ替えがあった場合は、研修が必要になるケースも出てきます。

業務の進め方が大幅に変わるため、当初は現場の社員が電子化の導入を負担に感じる可能性も否定できません。一方的に業務フローを押し付けるのではなく、現場の社員の意見も聞きながら、より望ましい形を目指していきましょう。

システム障害のリスクがある

経理業務の電子化の大きな弊害として、システム障害が発生したら業務が停止してしまうことが挙げられます。前提として、システム障害は起こりうるものという認識を持つことが重要です。システムを選ぶ際には、過去の障害の頻度、復旧までの時間、対応方法などを確認しておきましょう。

また社内でトラブルが発生する可能性もあるため、トラブル時の対処法を事前に検討し、マニュアルにまとめておくことも有効です。

電子帳簿保存法に対処するポイント

電子帳簿保存法に対処するポイント

電子帳簿保存法に対処するために、いくつか押さえておきたいポイントがあります。電子帳簿保存法の内容や要件を確認しておくことは特に重要です。ここでは、電子帳簿保存法に対処するためのポイントを解説します。

電子帳簿保存法の内容を理解する

まずは電子帳簿保存法の内容を理解し、経理業務において発生する作業が電子帳簿等保存、スキャナ保存、電子取引データ保存のどの区分に該当するのか把握しなければなりません。

それぞれの要件に従って業務を進めていけるように、必要に応じて業務フローの見直しも必要です。ただし前述したとおり、業務フローを変えるには、経理業務担当者を中心とした現場の社員の協力が不可欠です。

電子帳簿保存法の改正内容を全社員へ伝え、業務フローの変更に対応できるようにしておきましょう。社員から不満や改善点があがってきたら、適宜フィードバックし、業務フローに反映していくことも重要です。

電子取引の保存要件を確認する

電子帳簿保存法における電子取引の保存要件を確認しましょう。特に電子取引データ保存は義務化されたため、要件を確認し対処しなければなりません。前提として、どのような取引が電子取引にあたるのかを把握し、適切に処理することが重要になります。

電子取引の代表例として、インターネットを通じた売買、PDFで受領した領収書や請求書、EDI取引などが該当します。現在、どの程度電子取引を行っているかは企業によって異なるため、一度洗い出しをしておくと良いでしょう。

また電子取引をした場合、取引先から受領したPDFデータはそのまま保存する必要があります。従来のように、紙に印刷した後に元のデータを破棄しないよう注意しなければなりません。

スキャナ保存の導入を検討する

現行の電子帳簿保存法であっても、紙で発行・受領した書類であれば、そのまま紙で保存できます。しかし、紙とデータが混在することになるため、管理が煩雑になりがちです。管理を楽にしたいならスキャナ保存の導入も検討しましょう。

改正電子帳簿保存法では、以下のようにスキャナ保存の要件が大幅に緩和されました。

・税務署長の事前承認制度が廃止
・適正事務処理要件の廃止
・タイムスタンプ要件の緩和
・検索要件の緩和

つまり要件を満たすシステムを使い、運用上の要件を守れば簡単にスキャナ保存ができるようになります。ただし、スキャナ保存をする場合であっても、重要な契約書は、民事訴訟法や印紙税法の観点から原本廃棄しない方が望ましいでしょう。そのため、スキャナ保存を検討する場合は、社内ルールを定めておく必要があります。

システムを見直す

現在使用しているシステムが電子帳簿保存法の要件を満たすか確認しましょう。前述のとおり、真実性および可視性の確保が求められます。

真実性の確保 ・タイムスタンプの付与
可視性の確保 ・関連書類の備え付け
・見読性の確保
・検索機能の確保

既存のシステムが、これらの要件を満たしていない場合は、新しいシステムの導入も検討する必要があります。要件を満たしているか確認する際の基準として、JIIMA認証を取得しているシステムを選ぶと良いでしょう。JIIMA認証とは、公益社団法人日本文章情報マネジメント協会による制度で、ソフトウェアやシステムが電子帳簿保存法における法的要件を満たしているかを認証するためのものです。システムを選ぶ際の参考にしてください。

JIIMA認証について、より詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
「JIIMA認証とは?電帳法の関係性や対応ソフトを選ぶメリットを解説」

『@Tovas』の導入により経理業務を電子化した事例

コクヨの『@Tovas』は請求書や領収書などの帳票書類を電子化して送付できるため、経理業務の電子化におすすめです。ここでは『@Tovas』の導入事例を紹介します。

ブラザー販売株式会社様の事例

ブラザー販売株式会社はミシン事業や複合機、プリンターなどの事業をグローバル展開する企業です。

同社では、請求書の送付に4日間かかり、担当者に大きな負担が生じていることが課題となっていました。またコロナ禍による緊急事態制限宣言中でも請求書の発行日には担当者全員が出社するなど、従業員の健康面・安全面で課題があったようです。

これらを含めた業務上の問題の解決策の一環として、2021年5月から請求書電子化スタートプロジェクトを開始し、『@Tovas』を導入ました。結果として、作業時間も郵送では月延べ500分かかっていたところ、『@Tovas』の導入により130分まで削減するなど、業務の効率化と従業員のストレス軽減に寄与しました。

まとめ

経理業務の電子化を進めるためには、電子帳簿保存法の要件をよく理解しておくことが大切です。経理業務を電子化することで、担当者の負担軽減やコスト削減、セキュリティ強化などにつながる可能性も多分にあります。一方で、電子帳簿保存法に対応するために、システムの導入や見直しも必要な点には配慮しなければなりません。

コクヨの電子帳票配信システム『@Tovas』は、帳票書類を発行しシステム上で送付できるため、経理業務の電子化に役立ちます。「アーカイブ電子帳簿保存法オプション」がJIIMA認証を取得しているため、送信側は電子帳簿保存法に対応した方法で電子データを保存できることもメリットです。経理業務の電子化を目指している場合は、ぜひ導入をご検討ください。

@Tovasマーケティング担当(コクヨ株式会社)

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