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帳票の電子化における注意点とは?システム導入や選定のコツを解説

帳票の電子化における注意点とは?システム導入や選定のコツを解説

公開日:2023年12月25日 更新日:2023年12月28日

紙ベースの帳票を廃止し、電子化に踏み切る企業が増えています。業務効率化やコスト削減など多数のメリットがある一方注意すべき点もあるので、これから導入を検討する方は事前に確認が必要です。注意点を意識せずに進めると、担当の従業員から不満が出たり、取引先からのクレームにつながったりすることもあります。

そこで本記事では、帳票の電子化における注意点を解説します。併せてシステムを選定・導入し、帳票の電子化を実現するためのコツをご紹介いたします。


帳票の電子化が求められる背景

帳票の電子化は多くの企業で進められているのが実状です。ここでは、本題に入る前に、なぜ帳票の電子化が求められるのかについて、以下の3つの視点から背景を詳しく解説します。

・DX推進
・生産性の向上
・電子帳簿保存法の改正

DX推進

DX推進の流れは、帳票の電子化に踏み切る背景の一つとして挙げられます。DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、業務を効率的かつ便利にするためにデータやデジタル技術を活用することです。ただし、単にデジタル化するだけでなく、ビジネスモデルを根本から変えていくことを示します。

DXを進めるには、まず書類の電子化が必要です。そのため、社内で取り扱う文書や資料をペーパーレス化する企業が増えています。将来的には紙ベースでやり取りをするシーンが減り、契約や書類のやり取りは電子的に行うことが主流になるでしょう。

つまり電子化の波に乗り遅れると、取引先とのやり取りに支障をきたし、企業としての成長性が失われるかもしれません。帳票の電子化は、DX推進の一環としてはもちろん、事業を滞りなく継続していくため必要不可欠になっています。

生産性の向上

生産性の向上も、帳票の電子化に踏み切る背景として挙げられます。近年、日本では少子高齢化に伴う人手不足が深刻化しており、少ない人員でも業務を進められるように効率化が求められてきました。そのため、これまで一般的に行われてきた業務を見直すことで効率化に踏み切る企業も増えています。

このような観点を踏まえると、紙の帳票は作成や送付、管理に手間がかかるため、決して効率的とはいえません。そこで、帳票を電子化することで経理業務の負担を大幅に削減できる可能性が出てきます。業務効率化に成功すれば、その分の人的リソースを確保できるため、売上を増加させるための施策を考えるなど、より生産性を向上させる業務に取り組む余裕が生まれるでしょう。

電子帳簿保存法の改正

電子帳簿保存法の改正も、帳票の電子化に深く関連しています。電子帳簿保存法は、定められた条件を満たすことで、保管義務のある書類を電子データで保存できるようにした法律のことです。1998年7月に施行されたものの、税関係書類をデータ保存するための要件が厳しく、実際に帳票の電子化や保存に踏み切る企業はそこまで多くはありませんでした。しかし2022年の電子帳簿保存法改正により、データ保存の要件が緩和され帳票の電子化や保存がしやすくなったため、電子化を進める企業が増えています。

さらに、改正電子帳簿保存法においては、電子取引は電子データでの保存が義務付けられました。そのため電子取引がある企業では、電子データを保存するための環境を整える必要があります。こうした動きも、企業が経理書類を全面的に電子化する流れを後押ししていると考えられます。

帳票を電子化するメリット

帳票の電子化には、さまざまなメリットがあります。具体的なメリットとして以下の6点を紹介します。

・業務効率化
・コストの削減
・ヒューマンエラーの防止
・セキュリティの向上
・テレワークへの対応
・企業イメージの向上

業務効率化

帳票の電子化により、業務が大幅に効率化できる可能性があります。紙ベースの帳票は作成や送付、保管に多くの作業時間を要し、効率性は決して高くありません。そこで帳票を電子化することにより、作業時間を短縮するための取り組みが進められています。

例えば、請求書を電子化すれば印刷や封入、ファイリングなどの手作業をする必要はありません。全てWeb上で完結できるようになるので、作業時間の大幅な削減につながります。

コストの削減

帳票の電子化は、コストの削減にも有効です。例えば、紙ベースで帳票を保存・送付する場合、紙代や印刷代、送付する際の切手代がかかります。また保存用のキャビネットや設置スペースも確保しなければなりません。保存が必要な書類が増えるほど、広いスペースが必要になり、コストがかさみます。

しかし、帳票を電子化して全てWeb上で完結させればこれらの費用はいりません。経費の大幅な節約ができる上に、オフィススペースにも余裕が生まれるでしょう。

ヒューマンエラーの防止

帳票の電子化は、ヒューマンエラーの防止にもつながります。一般的に、手作業が多ければ多いほど、ヒューマンエラーが発生しやすくなるものです。紙ベースの場合、記載・入力のミスや郵送作業でのミス、書類の紛失・汚損などが起こると、ミスの対応に時間がかかります。

しかし、帳票を電子化するにあたりシステムを導入すれば、手作業を減らすことが可能です。書類を郵送することもなくなるため、紛失や汚損のリスクも解消できます。

セキュリティの向上

セキュリティの観点でも、帳票の電子化は有効です。紙ベースの帳票は、作業中に紛失したり、無許可での外部持ち出しが起きたりするリスクが付きまといます。情報漏えいなど深刻な事態にもつながるため、阻止しなければなりません。

電子データは、紙ベースのものに比べ帳票の紛失や外部への持ち出し防止がしやすくなることが強みです。さらにシステムを導入すれば、閲覧履歴を残したり権限設定したりすることで、セキュリティを強化できます。

テレワークへの対応

テレワークへの対応にも、帳票の電子化は寄与しています。そもそも、紙ベースの帳票は外部への持ち出しが難しく、オフィス以外の場所で業務をすることはほぼできません。2020年前半から始まったいわゆるコロナ禍でも、他の部署はテレワークに移行しているのに、経理担当部署は持ち回りでオフィス出社という企業も散見されました。

しかし帳票を電子化すれば、オフィス以外の場所でも作成・決済・送付などの作業ができます。

企業イメージの向上

企業イメージの向上にも、帳票の電子化は効果的です。帳票の電子化によりペーパーレス化が実現すれば、印刷用紙や封筒などの使用量を削減できます。1通あたりの使用量はわずかでも、1年間に使う量を考えると決して侮れません。

加えて、近年では企業のSDGsへの取り組みが注目されています。帳票の電子化を通じて、印刷用紙や封筒の使用量を減らしていると社会的に認知されることで、環境問題へ前向きな企業と印象付けることが可能です。

帳票の電子化における注意点

前述したように、帳票の電子化にはさまざまなメリットがある反面、注意点もあります。電子化を進める前に確認しておくことが大切です。ここでは、具体的な注意点として、以下の4点を詳しく解説します。

導入時に手間やコストがかかる

導入時に手間やコストがかかることは、帳票の電子化における大きなデメリットです。帳票を電子化するためには、システムやソフトウェアなどを導入しなければなりません。さらに、企業によってはパソコンやタブレットなどを追加購入しなければならないケースもあるでしょう。加えて、新しいシステムを導入した場合、社員が使いこなせるようになるまでに時間がかかり、一時的に業務効率が下がる恐れもあります。

システム導入にかかるコストや手間を勘案しても、長期的に見て帳票の電子化をすることがプラスになるかを検討する必要があるでしょう。

電子帳簿保存法への対応が必要になる

帳票の電子化をするなら、電子帳簿保存法への対応は避けられません。電子帳簿保存法では、電子的に作成した帳票は電子データのまま保管できることになっています。

ただし、電子帳簿保存法の要件に従って保管しなければならないため、保管するための環境整備やルール作りが不可欠です。相応の手間や費用がかかるのはもちろん、システムを導入する場合は電子帳簿保存法への対応状況を確認しなければなりません。さらに、経理部署を中心とした従業員への教育・周知も必要になるため、ある程度の予算と人員を確保して計画を立てて進める必要があります。

取引先への通知が必要になる

帳票を電子化して取引先へ送付するためには、取引先へ事前通知し理解を得る必要があります。取引先によっては電子化への対応が間に合わず、紙での送付を希望するケースもある点に注意が必要です。取引先によって電子データでの送付と郵送での送付に分けて対応しなければならない可能性も出てきます。そのため、一斉に帳票の電子化を進めるのではなく、徐々に取り入れていくことが求められるでしょう。

取引先へ定期的なヒアリングを行い、データでの送付に切り替えられそうなら順次切り替えていくなど、事後のフォローも重要です。

書類の保管が煩雑になる可能性がある

帳票の電子化への完全移行ができていない段階では、電子データと紙の書類が混在し、書類の保管が煩雑になるケースも少なくありません。

同じ企業でも、電子化に移行できるタイミングは部署ごとに異なります。また取引先の対応状況も企業によって異なるでしょう。例えば、A社はデータのまま保存、B社は紙の原本をファイリングして保存といったように、部署や取引先により書類の保管が別々になることは十分考えられます。

電子化への完全移行が完了するまでは、電子データと紙の両方に対応できる環境を整えておきましょう。

システム導入や選定のコツ

帳票の電子化に伴い、システムの刷新を行うことは珍しくありません。帳票を電子化するためのシステムは数多くあるため、目的に合ったものを選ぶことが重要です。ここでは、システムを新しくする際の導入・選定のコツについて詳しく解説します。

業務範囲を決める

最初に帳票の電子化にあたり、どの範囲まで電子化するのかを明確にする必要があります。一般的に、帳票に関連する業務範囲は作成・配信・保管の3つに大分することが可能です。全ての業務範囲を一気に電子化できれば理想ですが、予算面や人材リソースの面で難しいことも考えられます。その場合は、優先順位を付けた上で、電子化したい範囲に合わせてシステムを選びましょう。

なお、帳票の保管を電子化する場合は、電子帳簿保存法に準拠しているかの確認も必要です。要件をよく確認した上で、必要な機能が搭載されているシステムを選ぶ必要があります。

どこまで電子化するのか、将来的に電子化する範囲を広げる可能性はあるのかも含めて検討しましょう。

業務フローを確認する

帳票の作成・配信・保管に関わる業務フローを確認し、電子化に伴って変更が必要かどうか検討することも重要です。業務フローを見直した上で、必要な機能が含まれているシステムを選定する必要があります。

例えば、見積書の発行にあたり上長の承認が必要だったとしましょう。この場合、承認機能が含まれるシステムを導入すれば、書類に押印するというプロセスを省くことができます。上長が不在の場合でも、業務が止まらず時間も節約できるでしょう。

なお、システムを新しくすれば業務フローは当然変わるため従業員への十分な説明を行い理解してもらうことが必要です。実務に携わる従業員に試用版を使ってもらい、懸念点などを挙げてもらうのも有効です。

既存システムとの連携を検討する

システムの導入を検討する際は、既存システムとの連携が可能かどうかを確認しましょう。例えば、販売管理システムなどの既存システムと連携することで、見積書や請求書などへのデータ連携を簡単に行うことが可能です。特に事業規模が大きく、毎月大量の帳票を発行している場合は、既存システムとの連携により業務を大幅に効率化できる可能性があります。

一方、事業規模が大きくない企業の場合は、それほど連携を重視する必要はありません。CSVやPDFのデータをアップロードするなど、簡単に使えるクラウド型システムの利用も選択肢に入ります。長期間使用する可能性があることを考慮し、機能性や使い勝手を確認することも重要です。自社の業務量とコストのバランスを考え、自社に合った選択をしましょう。

『@Tovas』の導入により帳票の電子化に成功した事例

コクヨの『@Tovas』は、帳票を電子化してWeb上で配信できるシステムです。『@Tovas』の導入により帳票の電子化に成功した事例は多数あります。ここでは、コストや作業時間の大幅削減に成功した事例を2つ紹介します。

株式会社せんにち様の事例

株式会社せんにちは、玉子焼きなどの玉子製品やおはぎなどのあん製品を主力に、冷凍冷蔵保管事業などを行う企業です。

同社では、販売管理の請求書と在庫管理の在庫委託請求書の2種類を発行していましたが、社員の負担軽減と業務効率化が長い間課題となっていました。発行件数は月間約300件、1,000ページ以上にも及ぶ上に、郵送した後にFAXやPDFでの送付を希望する取引先もあったためです。

同社は『@Tovas』の導入により請求書の電子化に取り組み、自動配信により業務の工数とコストの大幅削減に成功しました。導入前は9時間かかっていた請求書の印刷・発送作業は、半分以下の4時間で終了するに至っています。

ブラザー販売株式会社様の事例

ブラザー販売株式会社は世界的メーカー・ブラザー工業のグループ会社です。ブラザー工業のミシンや複合機、プリンターなどの情報通信機器の販売を中心に事業展開しています。

同社では月間700件以上の請求書などの帳票を発行し、郵送や宅配便、FAXなどで送付していました。しかし、これらを全て送付するには4営業日かかる上に、ミスが許されないことから従業員にも負担がかかっていたのです。

そこで、『@Tovas』の導入により、請求書などの帳票書類をメール通知へ切り替えたところ、作業時間を70%以上削減することに成功しました。また請求書1通あたりの費用も約335円から約181円と大幅に圧縮できています。

まとめ

帳票を電子化することで、業務効率化やコスト削減、ミスの防止などさまざまなメリットが見込めます。一方で、導入時には手間やコストがかかる可能性に注意しなければなりません。また電子化した帳票をデータのまま保管する場合は、電子帳簿保存法への対応も不可欠になります。

コクヨの電子帳票配信システム『@Tovas』は、請求書や納品書などの帳票書類を電子ファイル、FAX、郵送の3つの方法で送付できるクラウドサービスです。事例ご紹介したように、取引先の要望に応じた方法で配信できるため、業務負担を大幅に削減できる可能性があります。「アーカイブ電子帳簿保存法オプション」がJIIMA認証を取得しているため、送信側は電子帳簿保存法に対応した方法で電子データを保存できることもメリットです。帳票の電子化を目指している場合は、ぜひご利用ください 。

@Tovasマーケティング担当(コクヨ株式会社)

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