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経理業務が属人化しやすいのはなぜ?属人化のリスクや解消法を紹介

経理業務が属人化しやすいのはなぜ?属人化のリスクや解消法を紹介

公開日:2024年1月25日 更新日:2024年3月15日

経理は専門的な知識を必要とする業務が多く、属人化しやすいといわれている分野です。属人化とは、特定の担当者に業務が偏ることを指し、一般的にさまざまな業務上のリスクがあると考えられています。

本記事では、経理業務が属人化しやすい理由や属人化のリスク、解消法などを解説します。属人化の解消を目指している場合は、ぜひ参考にしてください。

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経理業務で属人化している状態とは?

そもそも属人化とは、特定の社員のみが一部の業務を担当し、担当者以外が業務内容や業務の進め方を把握していない状態です。冒頭でも触れたように、経理部門では会計や財務などの専門的知識が必要な業務が多く、属人化しやすいといわれています。例えば、入出金管理を一人の担当者が行っており、担当者以外はお金の流れを把握していないケースなどです。

経理業務はなぜ属人化しやすいのか

経理業務が属人化しやすい理由として挙げられることは、以下の5点です。

・少人数で業務を回しているため
・社員の育成が進んでいないため
・他部門からの異動が難しいため
・業務がマニュアル化されていないため
・多忙により業務改善が進まないため

それぞれの理由を詳しく解説します。

少人数で業務を回しているため

経理業務が属人化しやすい理由としてよく挙げられるのが、少人数で業務を回している点です。経理部門はもともと配置される社員の数が少ない傾向があり、常に人材が不足している企業も少なくありません。

そのため、特定の社員に業務が集中しやすく、属人化しやすい傾向があります。特に専門知識が必要な業務は、新しい社員が入ってきても属人化が解消されにくいため、慢性的な問題として残ってしまいます。

社員の育成が進んでいないため

社員の育成が進んでいないことも、経理業務が属人化しやすい理由です。経理部門では専門的な知識が必要とされる業務が多いため、特定の業務はベテランの社員に任せられる傾向があります。

企業によって業務の進め方が異なっているケースも多く、新しい人材を採用しても即戦力になりにくいのも実情です。また日々の業務が忙しく、人材の育成が難しいことも属人化しやすい原因となっています。

上記のように、企業の怠慢ではなく、経理分野の構造的な問題でもあります。

他部門からの異動が難しいため

他部門からの異動が難しいことも、経理業務の属人化傾向を強めている要因です。前述のとおり、経理業務には専門的な知識が必要で、経験豊富なベテラン社員が特定の業務を担うことが多いとされています。

他部門からの異動により人員を確保することが難しいため、外部からの採用によって人材を育てなければなりません。一度経理部門に配置されると長期間異動できないケースもあり、特定の社員に業務が偏ってしまいます。

業務がマニュアル化されていないため

経理業務は、マニュアル化されていない部分もあり、属人化を加速させる要因となっているとする見方もあります。業務内容がマニュアル化されていない場合、担当者以外の人への共有・連携ができません。

マニュアルを用意できていても、日々の忙しさなどが影響して、長期間更新されていないケースもあります。特に税務関係の業務は制度改正により業務内容が変わることも多く、マニュアル化がなかなか進まないことが現状です。

多忙により業務改善が進まないため

多忙により業務改善が進まないのも理由の一つです。決算書の作成は、会計帳簿を元に年間の決算を取りまとめる重要な業務となり、経理部門が忙しくなる時期です。

また、決算月の前後は税務申告や年末調整、株主総会の準備などもあり、多忙になりやすいとされています。業務改善をしようにも時間的な余裕がなく、引継ぎやマニュアルの更新ができないことが、属人化発生の背景になっているでしょう。

経理業務の属人化によるリスク

経理業務の属人化には、さまざまなリスクがあります。

・不正処理を防ぎにくい
・業務が滞る可能性がある
・業務改善が進まない

代表的な3つのリスクについて、詳しく解説します。

不正処理を防ぎにくい

経理業務の属人化によるリスクとして、不正処理を防ぎにくい点があります。経理業務ではお金を扱うため、資金の流れを特定の社員しか把握していないと、不正処理が起こりやすいです。

不正処理は、社会的信用の失墜にもつながりかねない重大な問題です。不正処理による損害が生じる前に、担当者以外が帳簿や書類をチェックできる体制を整えておく必要があります。

業務が滞る可能性がある

経理業務が属人化している状態では、担当者以外が業務内容を把握していないことが多く、担当者が不在になると業務が滞る可能性があります。例えば担当者が病気や休暇で不在の場合、その業務は中断されるか、予定よりも遅延するケースがほとんどです。

昨今ではワークライフバランスが重視される傾向も強まっており、少数の担当者だけで全て対応してもらう環境を整えることも難しくなっています。経理には期限がある業務も多いため、担当者が不在でも他の社員が対応できる体制を整えておく必要があります。

業務改善が進まない

業務改善が進まないことも、経理業務の属人化によって発生するリスクです。特定の社員が長期間同じ業務を担当していると、その担当者独自のやり方で業務が進められている可能性があります。より効率的に業務を進める方法があっても、非効率なままになっているケースも少なくありません。

属人化された業務は、他の社員にとって不透明であることが多く、全体の業務フローを把握することが難しくなります。業務改善を進めるには、まず業務フローの透明性の確保を意識しましょう。

経理業務の属人化を解消する方法

経理業務の属人化を解消する方法としては、以下の5つが考えられます。

・ワークフローを見直す
・ジョブローテーションを実施する
・マニュアルの作成・更新をする
・業務の一部をアウトソーシングする
・システムを導入する

それぞれの方法を詳しく解説します。

ワークフローを見直す

ワークフローを見直すプロセスは、経理業務の属人化を解消するために重要なステップです。まずは経理部門の全業務を洗い出し、それぞれの業務がどのように進められているかを詳細に把握します。

具体的には、日常的な取引の記録から月次・年次の財務報告まで、あらゆる業務が含まれます。それぞれの業務を誰がどのように進めているのかを把握し、属人化の解消に向けた課題を明確にしましょう。

特定の担当者に業務が偏っている部分、業務を進める上で非効率になっている部分を明確にし、ワークフローを見直します。特定の担当者に偏っている業務を他のスタッフに再配分するなどして、業務の偏りが改善され、業務負担の軽減にもつながります。

ジョブローテーションを実施する

経理業務の属人化を解消するためには、ジョブローテーションを実施することも重要です。ジョブローテーションとは、社員にさまざまな業務を経験してもらうための定期的な配置転換を指します。

社員が異なる業務を経験する環境ができると、特定の個人に依存せず、複数のスタッフが同じ業務を行えるようになります。配置転換により属人化や人手不足の解消、人材育成につながるかもしれません。

ジョブローテーションは、計画的に行う必要があります。どの従業員がどの業務に移動するか、タイミングや期間を事前に決定するのはもちろん、定期的なフィードバック・評価によってローテーションの質を改善しましょう。

マニュアルの作成・更新をする

マニュアルの作成・更新をすることも、経理業務の属人化を解消するために必要な方法です。経理業務をマニュアル化すれば、特定の社員が持っている知識やノウハウをメンバー同士で共有できます。新しいスタッフが加わった際は、研修材料として役立てられるでしょう。

マニュアルは定期的に更新し、常に最新の状態にしておくことも重要です。経理業務は変化する可能性があるため、必要に応じて更新し、変更された点を周知するよう心がけましょう。

マニュアルを整備すると、属人化を解消できる他、業務の質向上やノウハウの蓄積、スムーズな情報共有が可能になります。

業務の一部をアウトソーシングする

場合によっては、業務の一部をアウトソーシングすることも、経理業務の属人化を解消するために有効です。属人化だけでなく、業務の質向上や業務負担の軽減、急な人手不足への対応など、多くのメリットが期待できます。

アウトソーシングできる範囲は、記帳代行や請求書の発行、給与計算、決算書の作成など依頼する業者によってさまざまです。一般的には比較的単純な作業で、なおかつ分量の多い業務が選ばれます。

ただし経理業務は機密性の高い財務情報を扱うため、アウトソーシング先の情報セキュリティや、プライバシー保護対策を確認しましょう。口コミや実績、予算などを確認し、アウトソーシング先を慎重に検討することが重要です。

システムを導入する

経理業務の属人化を解消するためにおすすめなのが、システムの導入です。経理業務にシステムを導入すれば、仕訳や集計、帳票書類の発行・送付、決算書の作成などの業務を自動化できるようになります。

システムの導入には、属人化の解消や業務効率化などさまざまなメリットがあります。自動化によってヒューマンエラーを防止できるため、特にミスが許されない経理の分野では、システム導入の恩恵は大きいでしょう。

システムには自社で運用を行うオンプレミス型と、オンライン上のサーバーを利用するクラウド型の2種類がありますが、昨今では後者が主流です。クラウド型のシステムであれば初期費用を安く抑えられる上、外部からの作業にも対応できます。

経理業務にシステムを導入するメリット

経理業務にシステムを導入するメリットとしては、以下の5点が挙げられます。

・経理業務の負担を軽減できる
・業務効率化につながる
・データを一元管理できる
・迅速な経営判断ができる
・法改正に対応しやすい

それぞれのメリットを詳しく解説します。

経理業務の負担を軽減できる

経理業務にシステムを導入するメリットは、経理業務の負担を軽減できる点です。例えば会計システムを導入すれば、仕訳や入力などの作業を自動化できるため、担当者が抱えている業務量を減らせます。

先ほども触れましたが、従来のようにデータを手作業で入力する必要がないため、ヒューマンエラーの防止にもなります。システムであれば専門知識がなくても業務を進められるため、属人化や人手不足の解消に効果的です。

業務効率化につながる

業務効率化につながることも、経理業務にシステムを導入するメリットです。経理業務の一連の流れをシステムで管理すれば、これまで無駄が生じていた作業の見直しができます。

決済の申請や承認、差戻しもシステム上で行えるようになり、時間がかかっていた決済もスムーズになるでしょう。社外からの対応も可能になるため、テレワークの導入などワークライフバランスの実現にもつながります。さらに従業員満足度やエンゲージメントの向上も期待できます。

データを一元管理できる

データを一元管理できることも、システム導入のメリットです。経理業務に関わるデータを社内で一元管理できるようになるため、複数の拠点でデータ共有ができます。データを検索・確認しやすくなり、税務や監査へのスムーズな対応も可能です。

また紙で管理していた情報を電子化してWeb上で管理できるようになるので、ペーパーレス化も実現できます。ファイリングや書類の保管・廃棄などの作業も不要になるでしょう。

迅速な経営判断ができる

経理業務のシステムを導入で経営判断に良い影響を与えることも、大きなメリットです。レポートの自動作成が可能になるため、財務状況をいつでも確認できるようになります。経理関係の情報をリアルタイムで確認できるので、迅速な経営判断が可能になるでしょう。

ビジネス環境の変化にも対応しやすく、企業の競争力強化にもつながります。特に昨今のビジネス環境は変化しやすく、不確実な要素も多いため、柔軟に対応できるような組織作りはとても重要です。

法改正に対応しやすい

システムの導入は、法改正に対応しやすいといったメリットもあります。経理は特に法改正の影響を大きく受ける分野でもあり、法改正への対応が経理業務の負担を増大させる原因になっていることも実情です。

最近では電子帳簿保存法の改正やインボイス制度の導入により、経理業務の負担が懸念されています。システムを導入すれば、担当者が変わっても法改正にスピーディーに対応可能です。 ミスの発生や業務の遅れを防止することもできます。

まとめ

経理は、さまざまな専門知識が必要であり、さらには少数の担当者で回していることから特に属人化しやすい分野とされています。ワークフローの見直しやジョブローテーション、マニュアル作成・更新、システム導入などの方法で属人化の解消を図りましょう。

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電子帳簿保存法に対応した形式で送った帳票を保管できるため、電子帳簿保存法の改正やインボイス制度にも対応可能です。経理業務の負担を軽減できるので、システム導入による属人化の解消を考えている場合はぜひご利用ください。

@Tovasマーケティング担当(コクヨ株式会社)

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